株式投資

【超初心者向け】株の信用取引とは?売買の仕組みやメリット・デメリット5つを解説

読者の悩み

  • 「株の信用取引についてわかりやすく教えて欲しい」
  • 「信用取引が危ないと言われる理由を知りたい」
  • 「信用取引のメリット、デメリットは何があるの?」

このような悩みを抱えていませんか?

信用取引は、たしかにリスクの高い投資手法です。
取引の特徴を理解して、あなたに合った使い方をすれば投資の幅が広がりますよ。

おーさわ

私自身、6年の投資経験の中で、信用取引を覚えた後から投資成績が格段に上がりました。

本記事を読んで、信用取引の仕組みを覚えて投資のチャンスを増やしましょう。

株の信用取引とは?やめとけと言われる理由

株の信用取引とは、あなたの持っている資産を担保に、証券会社から株や現金を借りて株取引をすることです。

投資家が信用取引をする理由は、証券会社から株や現金を借りられるため、投資の幅が広がり、資金効率が高くなることでしょう。

信用取引の特徴で代表的なものは以下のとおりです。

レバレッジ取引で保有資産の最大3.3倍まで取引が可能
空売りを使って下落局面で利益が出せる
配当相当額の受け取りができる

信用取引は、現金取引より3.3倍もの金額を使える分、大きな損失を抱える場合もあるので、「やめとけ」と言われる理由になっています。

倍率は調整できるのであなたの資産に合わせて設定しましょう。
うまく使えば取引できる銘柄や、ひとつの銘柄に投資できる資金が増やせるので投資の幅が広がります。

信用取引の種類と違い

株の信用取引をはじめる前に下記の違いを確認しましょう。

  • 現物取引との違い
  • 制度信用銘柄と一般信用銘柄

それぞれの違いを解説していきます。

現物取引との違い

信用取引は、現物取引では出来ない取引をするために利用します。

現物取引との違いには何があるのか確認しましょう。

【信用取引と現物取引の違い比較表】

信用取引現物取引
取引方法証券会社から株や投資資金を借りて取引する自己資産で取引する
取引できる銘柄指定された銘柄のみすべての上場銘柄
取引の期間制限あり制限なし
レバレッジ最大3.3倍までかけられるなし
空売りできるできない

注意点は、信用取引は取引できる銘柄に指定があり、保有できる期間も限られていることです。

現物取引とは違い、信用取引は「短期で大きく稼ぐこと」に向いています。

制度信用銘柄と一般信用銘柄

信用取引が可能な銘柄には「制度信用銘柄」と「一般信用銘柄」の2種類があり、それぞれ特徴があります。

【制度信用銘柄と一般信用銘柄の比較表】

制度信用銘柄一般信用銘柄
銘柄取引所が選定証券会社が独自に選定
金利低い高い
返済期限6ヶ月無制限

大きな違いは取引できる銘柄と返済期限です。

あなたの取引したい銘柄は信用取引ができるのか、返済期間があるかないかを事前に確認しましょう。

信用取引の仕組み

信用取引には主に2つの仕組みがあります。

信用買いでレバレッジを掛けて取引できる
信用売りで株を売りから取引できる

2つの仕組みの特徴を確認しましょう。
信用買いでレバレッジを掛けて取引できる

信用買いでは持っている資産を担保に最大3.3倍まで取引が可能です。
これを「レバレッジを掛ける」とも言います。
信用取引を行うには最低でも30万円の担保が必要です。

たとえば、信用取引でレバレッジを掛ければ、あなたの保有資産が30万円だとしても証券会社から株や現金を借りて、100万円近い金額を取引できます。

保有資産より、大きな金額で取引できるので、資金効率が上がります。

信用売りで株を売りから取引できる
信用売りという仕組みで株を売りから取引できます。
いわゆる「空売り」のことですね。

空売りの仕組みは慣れるまでイメージしにくいので、具体的な金額を使って解説します。

【空売りの流れ】
証券会社から株を借りて現在の株価で売る(例:株価3,000円)
株価が下がる
下がった株価で株を買い戻す(例:株価2,000円)
証券会社に買い戻した株を返却する
3,000円-2,000円=1,000円の稼ぎになる

1.では証券会社から借りた瞬間に売却して現金にしていると思うとイメージしやすいでしょう。

株価が下がるほど買い戻す金額が少なくなるので、返却するときに得をします。

このように、株価が下がった時にも利益を出せるのが空売りの特徴です。

株の信用取引|手数料の種類

株の信用取引は証券会社に株や現金を借りているので、手数料が掛かります。

手数料は積み重なると大きな金額になるので、確認しましょう。

  • 買い建てにかかる手数料
  • 売り建てにかかる手数料

それぞれ、かかる手数料が異なるので見ていきましょう。

買い建てにかかる手数料の種類

信用取引で株を購入したとき(買い建て)にかかる手数料は次の4種類です。

  1. 株式委託手数料:証券会社を通じて株の売買が成立したときに払う手数料
  2. 日ごとの金利(日歩):証券会社から現金を借りるための手数料
  3. 管理費:信用取引で株を保有している間掛かる手数料
  4. 名義書換料:信用取引で日をまたいで株を持っているとかかる手数料

株を保有している時間が長いほど手数料も増えるので、日をまたいで取引するかは常に考える必要があります。

売り建てにかかる手数料の種類

信用取引で空売りをしたとき(売り建て)にかかる手数料は次のとおりです。

  1. 株式委託手数料:証券会社を通じて株の売買が成立したときに払う手数料
  2. 貸株料:証券会社から株を借りた時にかかる手数料
  3. 逆日歩:株を売る人が多くなると、貸せる株がなくなるので、調達するための費用がかかる
  4. 管理費:信用取引で株を保有している間掛かる手数料

売り建て手数料の中でも独特なものが逆日歩です。

空売りをする際は逆日歩を防ぐために信用倍率を確認しましょう。

信用倍率が1倍以下だと買いと売りのバランスが悪く、逆日歩の発生する可能性が高くなります。

株信用取引の追証とは

追証とは「追加保証金」のことです。

信用取引ではあなたの資産を担保にしてお金や株を借りています。

そのため、取引で損をした場合は、追加で資金を預けなくてはいけません。

借りたお金と株価の比率(委託保証金維持率)が20%を下回らないように入金する必要があります。

たとえば、証券会社から500万円を借りて1,000万円分の株を買ったあと、400万円の損失を抱えたときの計算式は下記のとおりです。

【委託保証金維持率の計算例】

(500万円-400万円)÷1,000万円=10%

上記の場合は20%になるように100万円の資金を追加する必要があります。

これが追証という仕組みです。

追加で資金を入れないと強制的に取引が完了してしまうので、余裕を持った金額で取引をしましょう。

信用取引のメリット3つ

信用取引のメリットは次の3つです。

  1. レバレッジを3.3倍まで掛けられる
  2. 空売りで相場が悪い時も稼げる
  3. デイトレードで回転売買ができる

メリットをそれぞれ解説するので参考にしてください。

レバレッジを3.3倍まで掛けられる

信用取引では手持ち資産の3.3倍までレバレッジを掛けられます。

資金が増えれば単純に取引できる銘柄の幅を広げられるのがメリットです。

具体的には、取引できる銘柄数を増やせたり、株価の高い銘柄の取引ができたりします。

現物取引では株価4,000円までの銘柄しか取引ができなくても、信用取引を使えば株価12,000円の銘柄も取引ができます。

株価の高い銘柄は業績がよい銘柄も多いので、投資をできるチャンスができるだけでも大きなメリットです。

空売りで相場が悪い時も利益を出せる

信用取引で空売りができれば、相場が悪い時でも利益を出せる可能性があります。

現物取引だけでは、手を出せない相場状況でも投資チャンスが生まれるのは信用取引ならではのメリットです。

実例を出すと、米国の投資家「マイケル・バーリ」はリーマンショック発生時に空売りを仕掛け、4,000億円もの利益を出して「マネーショート」という映画のモデルにもなりました。

参考:映画「マネー・ショート

誰もが損を抱えるような暴落相場でも、利益を出すチャンスがあるのも信用取引のメリットです。

デイトレードで回転売買ができる

信用取引を使えば回転売買ができることもメリットでしょう。

デイトレードでは一日に何度も取引をするからです。

現物取引では回転売買ができないので、同じ銘柄を一日に何度も取引できません。

回転売買で同じ銘柄を何度も取引できれば、デイトレードで取引の幅が広がるでしょう。

このように、デイトレードでの信用取引はメリットというより必要不可欠な仕組みです。

信用取引のデメリット2つ

信用取引のデメリットには次の2つがあります。

デメリットを理解して対策しておきましょう。

  1. 大きな損失を発生させる可能性がある
  2. 空売りの損失は上限がない

それぞれ解説します。

大きな損失を発生させる可能性がある

信用取引では損失も最大で3.3倍という大きな損失を抱える可能性があります。

たとえば、あなたが現物取引で30万円の損失を抱えたとしましょう。
レバレッジを最大の3.3倍で掛けていれば、100万円近い損失を出してしまいます。
信用取引は返済期限や追証もあるので、判断を先に延ばすこともできません。

このように信用取引では思った値動きと違う方向に株価が動いたら、大きな損失を抱える可能性があります。

「レバレッジの倍率を低くする」「株価が予想と違う動きをしたら取引しない」などして対策をとって取引しましょう。

空売りの損失は上限がないのでリスクが大きい
空売りは下落局面でもチャンスがある一方で、株価が上がってしまったときには大きなリスクがあります。
なぜなら、株価には上限がないからです。

現在株価1,000円の銘柄があるとしましょう。
株価が0円になってしまっても1,000円の下落なので、底値がありますよね。

株価の上昇には上限がないので、損失は無限に膨らむというデメリットがあります。

空売りをするときには「1日で取引を完結する」「取引前に損切り価格を決める」といった対策をとりましょう。

株の信用取引はリスクを考えてムリのない範囲で有効活用しよう

この記事では株の信用取引について解説しました。
最後に本記事のまとめです。

信用取引とは証券会社に資金を借りて株取引をすること
最大3.3倍のレバレッジで取引できる
空売りができる
大きな資金で取引ができるので資金効率がよい
損失が大きくなる可能性も頭に入れておく

信用取引は現物取引と違い、レバレッジを掛けられるので、手持ち資金よりも大きな額の取引が可能です。
加えて、空売りもできるため、下落相場にも強く投資の幅が広がります。

ただし、大きな金額で取引する分損失を抱えるリスクも高いので、あなたに合った金額で取引する必要があります。

ぜひ信用取引の特徴を活かして、投資の幅を広げてみてください。

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